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メモ177
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借りぐらしのアリエッティ


観てきました。
ジブリ最新作。
ずっと監督は宮崎駿さんかと思っていましたが、違っていました。
米村宏昌さんという、ジブリの中では最年少監督とのこと。

94分という短い時間の作品で、さらっと観ることができ、楽しく時間が過ぎていきました。


この作品の中で、とても印象的だったのは、主人公である少女、アリエッティの視点でした。
私たち「人間」の手のひらぐらいのサイズしかない彼女から見る外の世界は、とてもとても大きく、希望に溢れている。
不安よりも、希望や期待、そういった感情がどうしても勝ってしまうくらいの世界でした。
様々な見たことない、触れたことのないものが沢山そこにある。
それは私たちがまだ幼稚園にも入らないくらい小さな子供だったころの外の世界に似たようなもの、を思い出していたんじゃないかなぁ、私は。

そして、やはりというか必然というか、恐怖の対象に出会ってしまう。
姿を見られてはいけないと言われてきた、人間。人間の少年に、出会ってしまった。
今まで家の中しか知らなかった幼児が、突然大きな犬に出会ってしまった時のような恐怖感。そんなところでしょうか。
足がすくんでしまい、どうすることもできなくなってしまうくらいの動揺。
あったなぁ、なんて思ったりしていました。
親の足にすがりついて、目の前の犬(あの犬はなんだっただろう、きっと今見たらとても優しそうな老犬だったような)が通り過ぎるのを震えながら待っていた、あの時分。


ここでのアリエッティは、私たちでした。
いつか今いる居心地の良い場所から出て行かなくてはいけない、行くことで成長していく、小さかった私たちは、今はもっと大きくなっているのだろうか。
どうだろう。
まだまだ小さいかもしれない。
でも、小さくてもアリエッティたちのように知恵を絞って、今あるもので必死に生きている。生きていこうよと「借りぐらしの小人たち」は言っていました。
なんてね、どうだろう。


この、何もかもが揃って便利な世の中で、私たちはアリエッティたちのように「原料」となるものばかりを手に入れていくことはない。
お金を出せば、既製品がなんでも揃っていってしまう。
でもだからこそ、彼女たちのような視点を振り返ってみることで、思い出すことができる、思い浮かんでこなかったことがふっと湧いてくるのかもしれない。なんて。

明日は、インスタント食品を使わずに、お弁当を作っていこう。そうしよう。


上映もはじまったばかり。
ちょっとした空き時間に観るのでも、ゆっくり時間をとって観に行くのでも、良いんじゃないでしょうか。
興味があれば、是非。
by arittakewinds | 2010-07-19 17:34 | memo
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