恵比寿にて。今日も今日とてレイトショー、というか最終回で観てきました。 黒沢清監督の最新作。「アカルイミライ」とか、「CURE」の監督です。 いやー、よかったです。 びっくりした。上映後、「あれ、あー、あれ」みたいな、ね。 家族の物語で、それがもう、なんだかどうしようもなくダメな状況にある家族。 でもね、それは私が見たその家族がそうであって、おそらく撮られているのは平凡な家族の画なんですよ。そこがまた、こわいところ。 そういえば最近、家族ものをよく観る気がする。何か惹かれるものがあるのかもしれない。 黒沢監督も言ってるところなのだけれど、この映画の中でも「母親」というものは非常に大きな存在なのだと思う。 “父親は許さないけれど、母親は許すということで、息子2人は母親にだけは本心を言っているところがあります。” ここがね、あーそうだよね、と思った。 自分の中でもそういうの、あるかもね、と。 とか思いながら思い返すと、正直父親に、ましてや母親に頑なに許されなかったことなく生きてきたような気もする。 そんな自分に何がわかるのかというと、それも曖昧であるが、わかってしまうような気になってしまう、そんな世の中がここにあるんだろうなー、なんてどうしようもないことをここに書いているわけです。 また、香川照之演じる父親についてなのだが、「お前達を守るのは俺だ」と言っておきながら自分は失業中であり、親としての権威もそれほどない彼は、まさに現代の父親像とでも言うのだろう。 まさに 「 父親=金を稼ぐ人 」 というのみに集約されてしまっているのだ。この人物は。 それが本当に、いてもたってもいられないくらい、切ない。 もしかしたら自分も、10数年後、数十年後そうなっているんじゃないか。 なんだか自分にはそんな素質がありありと備わっているんじゃないか。 そんな気がしてくるからより笑えて、怖い。 だからこそ、ラストシーンで弾かれるドビュッシーは希望なんだろうなー。 あ、そういえばドビュッシーなんて、高校の頃に観た「リリィシュシュのすべて」以来だったかもしれない。聴いたの。 だらだらと書いてしまい、何が言いたいのかよくわかりませんが。 よかったです。 また、照明もおもしろかったので、そのあたりも観ていくと楽しいかも。
by arittakewinds
| 2008-09-28 23:33
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