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メモ159
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団地ともお/小田扉  、 よつばと!/あずまきよひこ 」



久々に、読んだ本というか、読んでいる本のことを。
といっても今回は2冊ともにマンガ。
ちょっと前から好きでずっと読んでいる2冊をご紹介。

左から。

「 団地ともお 」

これは、団地に住む小学生ともおとその周辺のみんなの日常を描いた物語。
とっても面白いです。
ちょっと昔のような、そうでもないような、そんな時代を感じさせる面々。

何がおもしろいかって、そのギャグと「なんだかちょっとありそう」なそのシチュエーション。
また一見「リアルな子供の気持ちだなあ」と思うのだけれど、実は全然そんなことがなく、きっと僕ら(のような大人)が「こうあって欲しい、こうあって欲しかった」という演出が色んな場面に施されている。
そこがまた、とてもいい。

僕らはいつも、「こうあって欲しい」という欲求をどこかに持っていて、
それが満たされた時に感じる高揚感が大好きだなぁ、と思う。

ともおをはじめとするここに登場するキャラクターは「こんなとき、言えなかった正論を、気持ちを」代弁してくれるキャラクターとして存在してる。ように感じるんだなぁ。

例えば1巻の第1話冒頭。
終業式の帰り道、ともおは学校の色んな友達に通信表を見せてくれとせがまれる。
なんでだろう、とつぶやく本人に向かって、親友の木下は
「みんな、お前の悪い成績を見て安心したいんだよ」と。
本人に向かってそんなこと、きっと言えない。
けれど、この物語の中ではこういう直球な言葉が容認されている。
言われた本人までもが「なるほどなー」と納得してしまう。
あったよね、「あー自分よりも悪い成績のやつ、いるはずだよな」といった淋しい気持ちって。

そんな直球さが、大好きで、新刊が出る度に楽しませてもらっています。
ネタが豊富なところも作者のすごいところだと思う。



なんだか長くなりそう。
だけど気にせず今回は書いてしまおうかな、と。


「よつばと!」

これも実際のところ、ともおと同じくどこかが「ファンタジー」。
ざっくり言うと、虚構の中にある理想の世界。ともおもね。
あ、あと絵が結構シンプルで、話の中身もかなりそぎ落とされているように見えるのだけれど、実のところかなり濃いー。

1巻から始まって、現在8巻まで刊行されているのだが、
夏が終わったのは6巻頭くらい。1巻が夏の始まりで、だ。

1話完結型の話ばかりなのだけれど、よくよく見ていくと、その1話の次の日が次の話になっている。
つまり、本当に“毎日を描いている”マンガなのだこれは。
すごいよね、コレ。と、勝手に思っているのは私だけ?

僕らは毎日を、日々の7割くらいを仕事(や学生生活)をして暮らしていて、毎日がこんなにも色んな目を輝かせる時間を過ごしているとは限らない。
仕事をしないといけないし、それぞれの休日は家事や用事をこなさないといけない。
けれど、ここに出てくる5歳のよつばが行く先では、どうでもいいことも楽しくなっていく。

まさに1巻の帯に書かれている「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」が表現されている。
すごい素敵なマンガです。

どうでもいいやりとりがいい。
「晩ご飯」についての話があるのだけれど、
冒頭でよつばが「ちょーおいしいものが食べたい」と言う。
とーちゃんは「残念ながら超おいしいものは扱っておりません」とあしらう。
すると「あー、そうだったかー、じゃあふつうにおいしいものでいい」と。
そこで「じゃあ今日はふつうにおいしいものにしよう」となるのだけれど、
それでよつばは喜ぶんだなー。すごいいい。ここ、すごいいいんですよ。

こういう日々を過ごしたい、でもまさにこれ、は無理かもしれないって思う。
夏休みが終わる時のような切なさ。だからこそこの世界を楽しみたい。
そう思ってしまうくらいに、とっても楽しい。
※上のリンクで、試し読みができます。気になる方はそこから入ってみては。



夏も終わり、これから秋が始まる気配が漂う毎日ですが、
みなさんいかがでしょうか。
先週、先々週と動きっぱなしだった私は、ゆっくりしています。
夏のようなマンガを読むのもアリだと思う。でもこれらの話にも、秋もやってくる。

とりとめもないことばかり、長くなってしまったなぁ。
興味のある方は是非。どちらもオススメです。
by arittakewinds | 2009-09-13 09:56 | memo
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