![]() 映画を観ました。日曜の初回上映、9:20から。 是枝裕和監督の最新作。 すごいよかったです。 よかった、という表現が必ずしも心がほっこりしたり、感動したりするものばかりではない、ということもまたあるのだけれど、まさにそういう類の、よかった、です。 「歩いても、歩いても」も傑作だなぁと思いましたが、こちらも十二分に。 これは寓話であり、ファンタジーであり、とても心が苦しくなる話でした。 ざっくりあらすじを話すと、とある空気人形(性的な用途の)が心を持ってしまい、そんな彼女が外に出て人と触れ合い、また孤独を知っていく。 そんなお話。 空気人形を演じるのはぺ・ドゥナ。 これがまた、とっても可愛らしい。動きからそのたどたどしく話すその仕草。 まさに女優といったその演技は一見の価値あり、ではないだろうか。 また、役柄的にも、そういった性的なシーンは都度あるのだが、そこまでいやらしくなく(モロに見えてはいるのだけれど)、それ以上に空気を口で入れるそのシーンが非常に目を見張るものであった事は言うまでもない。 「心を持ってしまったことは悪いことなのだろうか」 元々は心という、感情を持たなかった彼女は自身に問いかける。 私たちも、日々の中で「何も考えずにやりすごすことができたら」「こんな無駄な感情がなかったら」などといった気の迷いが起きることもあるかと思う。 けれど、そんなことはないと思う、んだよなぁ。 人は、心があって誰かとその機微を伝え合って生きていて。 もちろん、この映画に出てくるような「孤独」を抱えた人たちも沢山いる。 でもそれは誰かとの触れ合いを知っているからこその「孤独」だろう、きっと。 誰との触れ合いも知らない人こそが、空気人形なのかもしれない。 だから途中から、ぺ・ドゥナは「人」になったのかもしれない。 ベンチに座った老人が 「この街の大半はそんなやつらばかりだ」 といったような内容のことを言うが、 そんな彼らは何かしらで「満たされた」ことがあるからこそ、 「孤独」を感じているのだ。 心があるから。 観ていて、都度苦しくなる場面があったのだけれど、 その感想はこの映画を観た人と、その話題を交わす時にでもとっておこうと思う。 私たちは、十二分に素敵な世界を生きているのだなぁ、と思いながら。
by arittakewinds
| 2009-10-18 23:55
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