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メモ178
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佐藤雅彦ディレクション"これも自分と認めざるを得ない"展


夏空の下、行ってきました。21_21 DESIGN SIGHTにて。
とても楽しい展示でした!


この展示のキーワードは「属性」
それは一般に「個性」や「自分らしさ」と呼ばれるものに近いもの。
いつも私たちは、誰かのことに対して「あの人は個性があるよね」などと言ったりする。個性がつよいことは、あたかも「強い」ことかのように。ではあなたは、あなたの「個性(もとい"属性")」をしっかりと理解していますか?
答えは、半分イエスで、半分ノー。
名前だって、血液型だって、自分の性格だってだいたいは理解しているけれど、例えば誰もが違う形をもっているだろう指紋の特徴は、わからないよね。

近年私たちの日常生活では、防犯や、より快適な暮らしを楽しむために、個人を特定する技術や方法が急速に開発され、様々な場面で応用されています。それは言い換えると、例えば指紋や静脈といった人の「属性」が、自分自身から切り離されて一人歩きする社会が、身近に迫っていると言えるのではないでしょうか。 - 佐藤雅彦


本展のメインディレクター、佐藤雅彦氏は言う。
「あなたが気付いていない“属性”はまだまだあるんだよ。」と。


冒頭で「注文の多い展覧会」との注釈とともに、氏名・身長・体重・虹彩を計測することになるこの展示、任意とはいえ、計測しないと80%以上損してしまうんじゃないかと思います。是非。


私たちは、日々生活をしている中で、
他人についてはいつも目にしているけれど、自分に対してはどのぐらい意識して過ごしているだろうか。
もちろん、身だしなみには気を配っているだろうし、太った痩せたを気にしたりもしているかもしれない。
じゃあそれ以外で気にしていることって、なんだろう?

私は、何を気にして生きていただろう。
私は、何を気にされながら生きていただろう。

そんな自問自答と、ある方向の「属性」を色々と見せてくれる展示が、この展示でした。
たぶんね、全ての展示を体験、体感し、「わかった」と思う人なんていないんだと思う。
「結局、まだまだわからないなー。ヒトって」と感じるんじゃないかな。
でもだから、わだかまりが残っちゃうぐらいの余白があるからこそ、そこも含めて、「自分と認めざるを得ない」んじゃないかって。
わかりすぎるというのも、考えもの、なのかもしれない。

展示は始まったばかり。11月まで行われています。
ちなみに、私の一番のお気に入りは「金魚が先か?自分が先か?」という展示でした。
六本木にいらした際は、是非新しい自分を捜しに足を運んでみてはいかがでしょうか。
by arittakewinds | 2010-07-24 17:53 | memo
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